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「朝日文庫」にも収められている『漂着物事典』の内容を充実させ、全面改訂して出版された本です。
「総項目219項目/図版390点収録」と聞くと、様々な漂着物を種類別に解説した、ただの百科事典のように感じられますが、それだけの本ではありません。特に後半の「海と漂着の民俗・歴史」「各地でのフィールドワーク」「採集・調査・研究」「漂着と環境」等の各章は、「事典」よりむしろ「海の漂着物に関するコラム集」と呼んだ方が相応しい内容で、漂着物の採集が民俗学の研究へと繋がっています。
漂着物(海ゴミ)の種類を調べるのに役立つばかりでなく、それらを素材とした調査・研究のノウハウやヒントが沢山、見つけられると思います。 |