長年にわたり、海の漂流ゴミの問題を研究していらっしゃる、鹿児島大学水産学部の藤枝繁先生の研究・試算によると、研究フィールドとしている瀬戸内海に流入するゴミの量は、年間で4,500トン。そのうちの3,000トンが陸域からの流入で、これを瀬戸内海の流域人口3,176万人で割ると、一人当たり年間94g(一日一人あたり0.3g)に相当するのだそうです。
◆参考:「瀬戸内海における海洋ごみの収支」
藤枝繁,星加章,橋本英資,佐々倉諭,清水孝則,奥村誠崇,
沿岸域学会誌,22(4),17-29,2010
この94gという量は、私たちにもおなじみの500mlのペットボトルならば、空のボトル3本程度に相当します。「ペットボトル3本」と言うと、「私はペットボトルのポイ捨てなんかしない!(怒)」と思われる方も多いとは思いますが(笑)、例えば小分けにされたキャンディーの個包装とか、液体容器のキャップ部分のシールに使われていたビニールとか、誰でもついうっかり落としてしまって、落としたことにすら気づかないことがあるでしょう。
そんなゴミが積もって年間94gになってしまうわけですから、この「一人当たり年間94g」を減らすのは、そんなに簡単なことではありません。
逆に年間にペットボトル3本程度なら、海に遊びに行ったついでに拾って帰るのは、簡単ですよねぇ(笑)。
つまり、私たちが海に遊びに行った時に、一人当たり空のペットボトル3本分のゴミを拾って帰って来たとしたら、それだけで自分が年間に排出する海ゴミと同等量を“オフセット”できるというわけです。 そう考えると、実はこんな楽な話はありません(笑)。
ですから、(この『二つのゴミ袋運動』では(拾うゴミの量を競ったり、一律の目標量を決めたりしないのがモットーではありますすが(^_^;; )、この「海ゴミ・オフセット」という考え方を広く知っていただいて、より多くの方がもっと気軽に、「じゃあ自分も今回、1年間分の海ゴミをオフセットしてみようかな。」と、考えいただきたいと考えます。
難しく考える必要はありません。特に大変な苦労が必要なこともありません。
楽しい海遊びの最後に、ほんの軽い気持ちで、海に落ちているペットボトルを3本ばかり、拾って帰ることで、あなたも自分の「海ゴミ・オフセット」しましょう!
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